現在、飛び込み制(予約なし)の診療を行っている病院様も多いのではないでしょうか。最近では、感染症対策や飼主様の利便性を考え、予約制を取り入れる動物病院も増えてきています。飛び込み制では「柔軟な対応ができる・空いていればすぐに診察してもらえる」といったメリットもありますが、実際にはさまざまな課題も発生しやすく、病院の運営や診療の質に影響を与えることがあります。
本記事では、飛び込み制の病院が直面しやすい課題と予約制導入による解決方法についてまとめます。Vet360では標準機能として予約機能(Web含む)が備わっています。予約制導入の参考情報としてお役立ちできましたら幸いです。
◯飛び込み制(予約なし)に隠れている主な課題
1. 待ち時間の長時間化と突発的な混雑
飛び込み診療の場合、来院タイミングが読めないため次のような状況が発生しやすくなります。
・カレンダーの休日や天候などに左右され、想定していないタイミングで急に来院が増える
・午前中は比較的空いているのに、午後は急に混み合う
・スタッフが忙しくなる時間帯が偏る
こういった状況の結果として、特定の時間帯に駐車場や待合室が混雑し、飼主様や動物にストレスを与えることになります。また、病院側としても「どの時間帯にどれだけの患者が来るのか」が読めないため、効率的なスタッフ配置ができず、人手不足や業務負荷の原因にもなりやすいです。
2. 診察時間・混雑状況の管理が難しく、診療の質に影響が出る
混雑がプレッシャーとなり、落ち着いて診療ができないような状態が発生しやすくなります。診察時間を十分に取れず「次の患者が待っているから早く診察しないと…」という状況に陥る可能性が高くなります。
・診察時間を短縮せざるを得ない
・丁寧な説明ができない
・飼主様の質問にじっくり答える時間がない
この状態が続くと診察の質が低下するだけでなく、飼主様からの信頼を失う原因にもなります。
「流れ作業のように診察されて、しっかり診てもらえなかった」と感じると、リピート率の低下やクレームにつながる可能性もあります。
3. 収益や運営の見通しが立てづらい
来院数のばらつきが大きくなりがちで、薬剤などの使用量予測が立てづらく、適切な在庫管理ができなかったり、収益の予測が立てにくくなる恐れがあります。結果として、長年の「勘」に頼った運営になりがちで、以下のような課題が生じやすくなります。
・来院数やスタッフ/設備などの稼働率が大きく変動し、非効率になりやすい
・収益や業務の安定性が低いため、新サービス導入などの投資を判断しづらい
・定期検診の予約を促しづらく、予防医療などの推進が難しい
属人化した記憶や勘を頼りに運営を続けていくことで、入社や退職で人員変動が起こった際に経営や運営状況が不安定化してしまうことも懸念されます。
◯予約制導入で課題解決ができること
予約には予約優先制や完全予約制などの種類があったり、予約方法も電話予約のみに限定したりWeb予約も受け付けたりなど、病院側の予約管理の手間と飼主様の利便性向上のバランスを考えつつ導入することが大切です。予約管理の手間は予約システムを利用することで大幅に削減することが可能です。
1. スケジュールの管理ができるようになり、待ち時間や混雑を軽減
・急患と飛び込み以外の診察スケジュールが管理できることで、来院時間が分散化
・来院から帰宅までの時間が短縮。待機時間が軽減される
待合室や駐車場などの物理的な混雑が減ることで、飼主様のストレス低減にも効果があります。また、病院側としても、突発的な混雑が減り、余裕のある対応ができるようになります。
2. 適切な診察時間の確保、診療の質向上に貢献
・落ち着いた環境で診察ができ、各種検査や診断が丁寧に行える
・病状や治療方針について、飼い主様にじっくり説明できるため、理解度と納得感が向上に
・飼主様からの質問も丁寧に対応ができ、信頼感を持っていただける
飼主様に「再来院をしてもらえるか」の最大の要因は、適切な診察が受けられる事に加え、病院全体を「信頼してもらえるか」ということが鍵になってきます。飼主様と質の高いコミュニケーションを重ねていただくことで、顧客満足度の向上にも繋がります。
3. 収益や運営の見通しやすくなり、経営の安定化につながる
・診察スケジュールに合わせたシフトの最適化ができ、業務効率化・人件費の低減に寄与する
・予防診療(ワクチン・健康診断)を積極的に促進でき、安定した収益につながる
・事前に診察数が落ち込む時期を把握し、キャンペーンやイベントなどの施策を行える
閑散期や一時的な診察数の減少など事前に把握することで、キャンペーンなどの対策を行うことが可能になり、売上が大きく落ち込むリスクを軽減できます。また、予約状況を分析することで、「どの診療サービスが予約が多いか」「どの時間帯に予約が入りやすいか」などのデータを活用し、より効率的な病院運営が可能になります。
◯予約制の導入には「予約システム」が必要?
予約制を適切に運用するには予約システムの利用をお勧めします。診察件数が増していくごとに予約管理の負担が増えてしまいますが、システムで管理することで人為的なミス防止と業務効率化が可能です。各社、様々な予約専門システムを提供しておりますが、新たに使い始めるには当然、追加費用がかかってしまいます。Vet360では院内業務の包括的な支援をサポートするオールインワンツールとして、「受付機能に連動した予約システム」を標準機能として提供しており、現在の月額料金でご利用いただけます。
Vet360予約機能(Web予約含む)のメリット
- 顧客管理・受付管理と連携しており、院内予約とWeb予約が一画面で表示でき、管理しやすい
- 次回の来院予約をカルテ作成画面から行うことができ、スムーズに予約が確保できる
- Web予約が可能で、24時間、飼主様のお好きなタイミングで予約が可能
昨今の小家族化などの影響もあり「動物病院に連れて行きたくても仕事があっていけない」「予約をしたくても、電話予約の受付時間に電話ができない」などの事情もあり、動物病院選びの大きなポイントとして「Web予約ができる病院」を基準に考えている飼主様が増えてきております。既存顧客の満足度向上や病院運営改善のみならず、新規顧客獲得まで見据えてた上で、予約制への切り替えを是非一度検討してみてください。本記事の内容が参考になれば幸いです。ご質問やご相談がございましたら、弊社担当かサポートデスクまでお気軽にご連絡ください。
・飼主様向けオンライン予約ページ(サンプル)
・Vet360の予約機能に関する参考記事